アルパカの右にならえ

生ビールでも発泡酒でも幸せなアラサー。邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

ドラマ「あなたのことはそれほど」いくえみ綾/柴犬牙を剥く

いくえみ綾の大ファンです。
あなたのことはそれほど」がドラマ化すると聞いて、楽しみにしていました。

よ、予想していた以上に涼ちゃんがこわい。

キャスティングと一話の「結婚式で逃げ出そうとするカップル(いわゆる映画「卒業」みたいなの)」っていうシーンを観た時点で、「あー別にいくえみリスペクトというワケでもなく不倫モノのドラマやるのにちょうどいい原作あるからこれに乗っかろって感じね…」という想いは、いくえみファンなら抱いていたと思うのですが……。
(なぜならいくえみならあんなシーン絶対書かないと思うから)(たぶんね)
思ってた以上に東出くん演じる涼ちゃんがこわい。こわいっていうか東出くんが怖い。

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まず、涼ちゃんを表す「小熊」→「柴犬」の改変は、すっごく良いと思う! 東出くんは小熊って感じじゃないもんね。
例え結末がまるっと変わってしまっていようが、作者が伝えたいことがねじ曲がってなければオッケーだとは思う。原作に忠実に、ではなく、原作に誠実に! という名言をどこかで見ました。とってもその通りだと思います。

あとよく感想で「美都が最低過ぎて共感できない」「波瑠のイメージが悪くなる」「有島ってそんなカッコいいか?」「嫁の妊娠中に浮気とかクズじゃん…そんな奴に惹かれるとか」ってのをよく見かけますが、原作からして登場人物に誰にもいっさい共感できないので、その感情は全てその通りだと思います。むしろドラマの方が良いところとか見出しちゃってる。原作の方が波瑠はもっと最低で、なんにも考えていない頭ゆるくて股だけ開いてるどクズだから、むしろ波瑠ちゃんの爽やかさに助けられてるとこある。

それでもやっぱり美都の

「いっそ涼ちゃんが私のこと嫌いになってくれたらいろいろ楽なのになあ」
「軽くつぶれそう」
「他人の子供なんてちっともかわいくない」
「子供欲しくない、今じゃない、ずっと」

というセリフは、実際人間のセリフとして聞いたらゾッとしたし、レストランで涼ちゃんが美都に「僕はまだ大丈夫だ」「君が夜中に名前を呼んだ番号を僕の携帯に登録した」「これが僕のプレゼントです」という、おったまげサプライズプレゼントの内容を大暴露する例のシーンでは、柴犬がぐりんぐりんに牙を剥いていて本当に最高だった。

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基本的に、原作でも「有島と美都は再起不能になるくらいボコボコにされて一緒に死んでほしい」と思われるに値するクズっぷりなので、ドラマを観て抱いたその気持ち、間違いじゃないよ!
原作では後半麗華に精神的ボッコボコにされてボロボロのズル剥けになる有島も見られるのですが、正直それくらいじゃ浮気の代償にもなんなんしとにかく有島には即座に死んでほしい(美都、お前もだ)という気持ちに、さらにさせられます。間違いじゃないよ、その憤り。
このようにこの漫画「あなたのことはそれほど」は、登場人物の誰に感情移入しても結果死にます。なので、ここはもう東出くんのキレッぷりと麗華の反撃に期待するしかないよってことなんです。本当に、「あなたのことはそれほど」をここまでクオリティの高いドラマにのし上げてくれてるのは、東出くん演じる涼ちゃん、きみに他ならないよ! と拍手を送りたい。