アルパカの右にならえ

生ビールでも発泡酒でも幸せなアラサー。邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【邦画ログ】PとJK/「可愛いと多幸感で1000万点あげる」/ネタバレあり感想

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PとJK

亀梨和也KAT-TUN)演じる警察官の巧太と、土屋太鳳ちゃん演じる女子高生歌子のお話。長回しカットを撮らせるならこの人! な廣木隆一監督の作品。「オオカミ少女と黒王子」でもべったべたのべた褒めしてたため、今回も絶対絶対好きな映画になるんだろうなと思っていたら、想像以上に大好きになっちゃった作品です。
過去の感想はこちら。
ayappu900.hatenablog.com


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冒頭、路面電車に乗るまでの坂道を歌子がダッシュしてる長回しシーンの時点で既に好き。22歳のフリして合コンに出席するも、男の人に強いお酒を飲まされそうになっちゃって困ってるところに、さっそく亀梨くんが颯爽と登場。「飲めないならもらうよ」ってテキーラ? を並々注がれたショットグラスを奪ってグビグビ飲み干す亀梨くん…かっこよすぎでしょ。登場2秒で心奪うってなにごと??
女の子が飲酒強要されて困ってたらそのお酒をスマートに飲んじゃうのが亀梨くん。終電間に合わない! って女の子が困ってたら、終電間に合うように一緒にめちゃくちゃダッシュしてくれるのが亀梨くん! もう好き!
 結局終電に間に合わなくて、繋いだ手を離すときごめんねって言わないのがかっこいい。ここで下手な映画とかだと「あの、手……」「あ、ああ」わざとらしくパッと離して「ごめんっ」とかじゃん? 違うんだよ、土屋太鳳ちゃんが繋いだ手を見下ろす。亀梨くんがその視線に気がついて、そっと手の力を緩める、からの「少し歩こっか」なんだよ。分かってらっしゃる…!!
16歳って判明した途端手のひら返す亀梨くんも良い。「酒飲んでねえだろうな? このクソガキ」とすごまれてビビって「ごめんなさーーーい!」って踵返してダッシュしちゃう土屋太鳳ちゃんの可愛さも良い。そのあと追いかけてきてくれるの超かっこいいしなんかもう亀梨くんの全てがかっこいい。もうこれ、亀梨くんのこと好きになるし土屋太鳳ちゃんのことも好きになるしで、この映画最後まで心が持つのか? って感じです。開始15分程度でこれです

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映画冒頭、路面電車に乗るために坂の下からダッシュする土屋太鳳ちゃんを、遠くから映してるカットからすでに長回し。朝友達に会うまでの廊下から教室までの道のりとか、学校を出てから家までの帰り道を自転車で走る時の息遣いとか、やっぱりこの監督の長回しが好き。重要なセリフや心が動くシーンは、普通なら登場人物の顔をアップに映すんだろうけど、この人の映画は景色さえ演技のうちだと言うように、きちんと背景の中に生きているキャラクターを撮るので、すっごく大好きです。函館の澄んだ空気や美しい海の景色、家の中での家族の立ち位置など、ただ演技している表情をアップで映すだけでは伝わらない表現の仕方もあるんだなと実感する。

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土屋太鳳ちゃんが「結婚結婚~!」ってウキウキしながらベッドでブリッジしてるところが好き。可愛い。そんな土屋太鳳ちゃんのお部屋の扉から顔を出して、「ケーキ食べよっか」って誘いにくる、ともさかりえ演じるお母さんもすっごく素敵。
土屋太鳳ちゃん演じる歌子の両親は、どちらかというとお父さんが常識的にちゃんと怒ったりする心配性で、お母さんは割りと物静かに状況を眺め、きちんと諭したり気持ちを汲んでくれる存在、という感じです。物語の中盤この二人の、夫の口についたお米粒をとってあげるっていうなんてことはないシーン。ここ、娘を心配する夫を心配する妻、っていうやり取りを台詞なしでああやって表現してるのがすごいなぁと思いました。
付き合って初デートの初プレゼントが防犯ブザーとか、亀梨くんの職場の先輩の「卒業まで待てないワケ?」という正論(笑)とか、付き合って一年後くらいの展開を開始30分でプロポーズまでやっちゃうとことか、お父さんから亀梨くんへの「一発殴らせろ」パンチが超弱々しいところ(笑)とか、結婚するってことを知った土屋太鳳ちゃんのお友達、玉城ティナちゃんの「26歳かぁ~やっらしいなぁ~ドンッ」とか、エピソードやシーンがいちいち印象的で可愛い!

お父さんと亀梨くんとの会話の中で、「娘が不幸になるのなら君をいつでも殺せる」というセリフが出てきたのがかっこよかった。娘さんをください! と言ってきた男に対するパンチは弱くても、言葉として覚悟を見せる父の強さにぐっときました。亀梨くんのお家にいて、「先に風呂入ってくるわ」と脱衣所に向かった彼の背中を見送った後、「お風呂ってことは……ハァッ……! ついにわたし…!!」ってどきどきそわそわしちゃう土屋太鳳ちゃんめちゃくちゃ可愛くなかった? そのあと見事にスルーされるところまで通しで可愛い。

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あと、不良少年演じる高杉真宙くんの顔面偏差値の高さにおののきました。顔と同じくらい心も傷ついて、金色に染まった髪を握り締めるシーンとか美しすぎてため息が出た。なんていうか、俳優になるために生まれてきたんだなって思う。それくらいの美しさと儚さだった。

喧嘩しちゃった時、すねて背中を向ける歌子に「どっちかが砂糖でどっちかが塩」って言って巧太がコーヒーカップを差し出してくる。片方を一口飲んでから「ごめんね、言いすぎた」って謝る歌子とのシーンがすっごく可愛い。お互い素直に謝ってから「そっちが塩でしょ」って笑う歌子に向かって、しょうがねぇなぁまったく、みたいな呆れた顔して「両方砂糖だよ」って笑う巧太のイケメン度がずば抜け過ぎてて、普通ならこういうシーン(なーーーーにいちゃついてやがる! このバカップルめが! オラ!)って思うんだけど、まんまと(最そして高)になるわけですよ。なに言ってるか分かんないと思うけど本当になにが起こってるか分からないくらい亀梨くんと土屋太鳳ちゃんの醸し出す可愛いカップルの空気に死にそうになるんだよ。

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(なんという可愛らしいの権化)
あと、この映画の一番素晴らしいシーンは文化祭の演出だと思うんだけど、歌子のクラスの出し物貸衣装屋さんに遊びに来た巧太が、学ランコスプレをするんです。この姿があまりにも「ごくせん」で、これは確実に亀梨くんファンへのサービスショットだと思うんですけど、この学ラン姿の亀梨くんだけで亀担は死んだんじゃないかな。
そしてね、肝心の土屋太鳳ちゃんの格好が緑の全身タイツのカッパなんだよ、河童。河童だよ、お皿が乾いたら元気がなくなっちゃう河童。黄色いくちばしつけた河童だよ。どんだけキュートなんだよ。河童と学ラン姿で校内デートってどれだけキュート&キュートだったら気が済むわけ? って問いただしたいよね。
「学生服姿の巧太くんと校内デートしたい!」って夢見る土屋太鳳ちゃんの願いをしぶしぶながらも叶えてくれるところが素敵。階段を降りつつ手を繋ぐ瞬間があるんだけど、普通ここは真正面から撮りたいのでは? と思うようなこのシーンでも、階段の柵越しに俯瞰から撮ってるから、土屋太鳳ちゃんの「手繋ご」ってニコッておどけて手差し出してる表情しか見えないの、そこがすごくいい。きっと呆れた顔しながらもにやけちゃってる巧太の表情を想像できて、すっごく良いんです!

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かの有名な(?)くちばしでチュッ、てしてからの、くちばし外してキスシーンがくると思いきや生徒に邪魔されて寸止め! ってシーンも、心のダメージ問答無用で致死量越えって感じでやばい。巧太の制服シャツに抱き着いてにまにましている歌子を見つけ、「中身ないのに抱きついても意味ないだろ」って、そのシャツを身に着けて、「ほら来い」って両手を広げるシーンも、とにかくステキの一言。なんかもう、この監督が五十歳を超えた方とは到底思えない、女子高生なのでは? 恋する女子なのでは? って錯覚しちゃうんだよ。

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また、体育館で吹奏楽部の生徒が演奏しているシーン、ここがもう、文句の一つもない、息が止まるくらいグッと心を掴まれたシーン。体育館に続く廊下から、体育館の中まで入って、演奏してる前の方まで巧太と歌子が手を繋いで行くカット。ここ、二人が体育館に入ってからもカメラが途切れずに、ステージ四段くらいになってるブラスバンドの演奏者の一番上の端の子までちゃんと映すようにカメラが行くんですよね。
また、中段にいる打楽器の木琴? 鉄琴? の生徒が、両手に持ったマレットをくるくる回してステップ踏むような振り付けがあって、そこも可愛くて見逃せない。あとあと、演奏曲がUNISON SQUARE GARDENの楽曲「シュガーソングとビターステップなのも、大好きな曲なのでテンションが上がりました。演奏中、大きなバルーンが宙にポンポン跳ねていて、すっごく幸せで楽しい空間が広がってるのもじーっと見入っちゃう。このシーンってきっと、ブラスバンドの演奏者以外、エキストラの方たちはそれなりにアドリプで手拍子したり、バルーンをトスしたり楽しんでると思うんだけど、そういう「楽しんでる」表情だったり、吹奏楽部の演奏を大写しにせず、ただそこにある空間を引きの画で魅せているところが、この監督の大好きなところだな~! ってまた改めて好きになっちゃいました。

こういう学園ドラマ作品の中に出てくる文化祭って、普通なら舞台装置の背景としてのシーンであることが多いと思うんだけど、この文化祭にはちゃんと「平和への祈り」(うろ覚えだから間違ってるかも)というテーマがあることが素晴らしいなと思いました。後夜祭で参加者たちが灯籠の中にろうそくを灯し、気球にして空に浮かべる灯籠飛ばしを行うシーンがあり、それもすごく印象に残りました。
巧太が歌子を守るために負傷してしまった時、病院の屋上で一人落ち込む歌子の元にやってきたティナちゃんと西畑大悟くんと一緒に、この灯籠飛ばしをするシーンも好きです。飛ばす瞬間、ティナちゃんに「願い事は?」と聞かれ、なにも言わず空に上っていく灯籠をただじっと見つめる歌子の表情が心に残った。ここで願い事を口に出さないところが良いんだよね。

君が無事なら良かったって頬っぺたに伸ばした巧太の手を振り払うような歌子の仕草にもグッときた…。
「私のために死んでもいいなんてやめてよ」という歌子に、それでも巧太は「これが俺の仕事だから」と答え、ついには「命かけてとかそういうの無理、重い」って弱音をこぼしちゃう歌子の幼稚な部分もすごく良かった~、もう好き……好き。
「どんな人間にもなれるよ」という巧太のセリフや、「私は馬鹿な女子高生で大神さんはただの不良」という歌子のセリフと対になったような「親父は優秀な警察官で俺は馬鹿な息子」って巧太のセリフも好きです。

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君のためなら死ねる」って警察官としての巧太の気持ちが、「一緒に生きていってください」に変わった最後のシーンも素敵だった…、むしろもう私だって土屋太鳳ちゃんと結婚したいよ、いっそ。そういう気持ちよ。
そしてキス未遂二回目も良い。エンドロールへ向かうクライマックスのシーン、講堂を二人で手を繋いで出てきてからの廊下のカットで「これはまさか、フラッシュモブシーンくるか…!?」ってゴクリと期待してたらそのまさかですよ。学園モノにおける「最後に全員で踊るミュージカル演出」にめっぽう弱い私は、最後の最後にまた致死量のダメージをくらいました。
極めつけのこのパレードのBGMがブルーノ・マーズの「Marry You」はい拍手~! 全員起立の上「シェフを呼べ」顔しながらの拍手~~!! ですよ、もう。ええ。Youtubeのかの有名な(?)フラッシュモブプロポーズの動画で胸打たれた私、撃沈。またここのシーン、巧太と歌子のあとを楽しそうに歌いながらついてくる生徒の子たちが良かった。安直過ぎたらきっと踊り出してたかもしれない。
そしてプロポーズをした観覧車内でキスをして、結婚指輪をはめ直してからのまた見つめ合ってキスをして、からのタイトル「PとJK」。はい拍手~~~!!! ここにくるまでタイトルバックが出ていなかったことにも、それに一切気がつかず映画を観ていた迂闊な自分にも、それを見越してタイトルを最後に持ってきた監督にも、すべてにおいて一本取られた~~! 好き~~~~!!! なのである。