アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【邦画ログ】恋は雨上がりのように「開始0秒で惚れた」

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恋は雨上がりのように
 

しょっぱなの校舎から遠くに位置するカメラがぐーっと寄ってって、窓際で机に突っ伏す小松菜奈ちゃんまでズームするドローン映像、この時点でこの映画が最高なのがわかる……!とか思ってた5秒前の自分をぶん殴る勢いで駆け抜けるオープニングとタイトルバックがさらにかっっこよすぎて惚れたー〜!!めっちゃ好きー!!ポルカドットスティングレイの「テレキャスター・ストライプ」イントロのギターのカッティングと坂道を駆け下りる小松菜奈ちゃんの疾走感……この1分足らずのシーンのためだけにお金払ってもいいぐらい気持ちいい。

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ファミレスバイトの雑多な雰囲気もいい。キッチンに入ってからぐるーっと回るカメラワークも素敵。この映画長回しが多いから心掴まれる。大泉洋の冴えない45歳のおじさん役がハマりにハマりすぎてたまらん。若者勢に対する諦めと怯えのバランスがいいよね。
店長の家で停電になった時に抱きつくあきらの勢いと、ほんの一瞬の迷いでその背中に手を回して抱きとめてしまった店長の、あの1秒にも満たない葛藤がすごく良かった。原作の流れ的に「お互いの道を進むエンド」だとは分かっていたけど、ここまで優しい気持ちになれて、素直にステキな2時間を過ごすことができた!と胸がいっぱいになる内容だと思わなかった。

最後、久し振りに再開して、「昇進するかもしれない」と、さっき聞いたばかりの朗報を伝える店長の嬉しそうな顔と、それを一番に教えてもらえたあきらのはにかんだ表情がすてき。「店長とメールしたいです」と涙ぐみながら言うあきらのアップだけでこんなに画が持つ、素晴らしい女優さんだ〜〜!メールしたい、って言われて屈託のない笑顔を漏らす店長の大泉洋、おまえがナンバーワンだー!!一番最後、小松菜奈ちゃんが左目から涙をこぼした瞬間にエンディングの「フロントメモリー」のイントロが流れ出すのがにくすぎる。完璧な邦画。

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この映画を見ると、登場人物の些細な言動が他の誰かが一歩進むための大切なきっかけになっていて、一人で寂しく生きていると思っている生活の中でも、もしかして自分も誰かに影響を与えることができているのかな?と思える、心が宙に浮く心地よさを覚える。このラスト、ほんの少し含みを持たせて終わらせてるのがまたにくいね!この余韻をいつまでも引きずっていたい。

ただ、山本舞香のど下手クソな関西弁にはがっくりした。クラウチングスタート壁ドンは超かっこよかったけど、関西弁がど下手クソすぎてそれだけでマイナス五万点。