アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【漫画ログ】ゴールデンカムイにハマった


ゴールデンカムイの沼にハマりました。
元々(去年くらいまで)途中までは読んでいたけれど、今月4/28にめでたく最終回を迎えるということで全話無料キャンペーンをやっていて、最初からまた読み始めたところ足を踏み入れたその先が沼でした。尾形やばない???
新鮮な感想を言い合いたくて、友達を金カム沼にハマらせようと読んで読んでとしつこく連絡していたところ、最近ようやく読み始めてくれました。

数日後
私「今何話まで読んだ?」
友「103話」

翌日
私「何話まで読んだ?」
友「170話」コワ…

翌日
私「何話まで読んだ?」
友「207話」

翌日
私「何話まで読んだ?」
友「232話」

翌日
私「何話まで読んだ?」
友「313話」 ※現在最新話が313話

終盤の追い上げスピードがエグい。友人が無事、陥落したので今年は札幌にゴールデンカムイ聖地巡礼+お寿司の旅が決定しました~~~!! パチパチ。夏は飛行機代が高いのでいつにしようかと考え中です。
私の一推しは尾形百之助、次点がヴァシリと月島です、ヴァシリは頭巾ちゃん期が特に可愛くて好き。鯉登と月島も好き。友達に「狙撃手が好きなの?」と言われました。あまり二次元にハマらないタイプなので、ひとつひとつのエピソードが胸にきすぎて前に進めない。進撃の巨人の、エルヴィンが左腕を上げて言った先生への質問とか、リヴァイが「夢を諦めて死んでくれ」と言うシーンとか、辛すぎて立ち上がれないくらい衝撃を受けた気持ちを思い出しました。久々に少年漫画にハマったので消費するエネルギーも半端ないです。

続きで最新話までの重要なネタバレを書いているので、ゴールデンカムイを読んでない人は読んでから読んでください。

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あの夜を覚えてる


オールナイトニッポン55周年記念公演「あの夜を覚えてる」の生配信演劇? っていうのかな、の2日間公演、両方チケット取って観た。初日だけでもいいかなと思っていたけれど、千秋楽も見てよかった。カット割りやセリフも大幅に変わっていて楽しかった。
初めて買ったコンポでチューニングを合わせて聞いたラジオ番組。メールを送って読まれたりとか、最新曲を覚えるのはいつもラジオからだったな~って記憶とか、眠る前に布団にくるまりながら聞いたあの夜の気持ちを思い出した。千葉くんの最後の、リスナーからのリアクションメールを読む時の泣く演技が、初日より格段にパワーアップしていて衝撃だった。

【漫画ログ】

水は海に向かって流れる/田島列島
かなり複雑なストーリーを絶妙な軽さで描けて、なおかつ3巻でまとめているのってなにごと。いい意味で大人がちゃんとおとなしてなく、逃げたりずるいところがあるのがいい。展開と食べ物が上手く絡んだ描写が好き。海辺のファミレスのかつあげシーンがいい。実は絵柄で最初は避けてた。


ペット リマスター・エディション/三宅乱丈
他者の意識に侵入して記憶を書き換える能力者のいる独特な世界観。一見荒々しいタッチの絵柄だけど、表情や描写の魅せ方がすごい。しばしばBLという感想を見るけどなんとなく納得する。スピード感のある息を飲む展開が続く。最終巻のヒロキと司が「良」すぎる……。


あたたかい肩/雁須磨子
突飛な展開もこの作者が描くとなんだかありそうな物語になってしまう。他の短編集よりちょっとオトナ。


没イチ/きらたかし
ある朝妻が突然死した男性の話。突然死から感情が麻痺したまま諸々の処理を終え、日常生活を過ごしていく。個々のキャラクターの内面描写があまり見えてこない部分はあったけれど、半分エッセイのような感覚で読んでいたので面白かった。


思えば遠くにオブスクラ/靴下ぬぎ子
家を火事で失くした写真家がドイツに移住し、ルームシェアしながら仕事をする話。食事描写が多く普段生活していると知りえない海外文化に触れることができ、旅行エッセイコミックのような楽しさがある。


手塚治虫アシスタントの食卓/堀田あきお&かよ
手塚治虫のアシスタントとして働いていた当時の仕事と食事の話。創作活動の苦悩などもありつつ、大半は仕事中に食べた食事の話。手塚先生の描写が可愛くていとしい。お仕事漫画。


おひとり様物語/谷川史子
あらゆるいらぬものを削ぎ落したシンプルな線、コマ割り、流れすべてが美しい。おひとりさまを楽しむストーリー。かわいいだけじゃない胸がきゅっとなるせつないお話が多い。好き。2巻収録の12話の破壊力がやばい。シリーズいち好きかもしれない。


天井の下/南Q太
たぶんこの漫画の登場人物は今でもどこかの街で暮らしているんだろうな。南Q太のような短編が書きたいっていつも思ってる。タイトルが良すぎるんよ。

【漫画ログ】「スキップとローファー」

一巻を読んでてっきりよくある学園青春モノストーリー……、と思ったら、そんな簡単な少女漫画じゃなかった。そもそも、電子書籍で購入したため単行本を実際に手に取ってなくて、月刊アフタヌーン連載の作品だってことに最近気がついた。

思春期の学生たちが自分と違う価値観に出会い、知った時、相手が異性だから容易に好きになって付き合うとか付き合わないとかそういうただの恋愛少女漫画の展開になるのではなく、相手を通して自分自身の内面と対峙する物語だった。学生時代に意味もなく苛々したりもやもやしていた気持ちが言語化されて、「こういうことだったんだな」とあの頃の自分を認められるような、意外と大丈夫だったんだよと言ってもらえるような気がした。そういう漫画。

「相手を想う気持ち」が伝わってくる描写がすごく胸にキュ〜っとくる。そんなエピソードが多い。ちょっと気になる人とのふたりでのお出かけで、頑張っておしゃれやメイクをするけど、相手のほんとうに何気ない一言で気持ちがぽきっと折れちゃうか弱さも、他人の優しさに感謝したいけど素直に口にできない気持ちとか、もう、キュンッッキュンしてしまう。ある巻である人物が主人公の女の子に対して、自身の子供の頃を重ね、「君がいて高校生活ちょっとおもしろくなったけど 海とか山に囲まれた場所のほうが似合ってる気もする 傷つかないで そのまんま変わらないでいてくれないかな」と想うシーンがあって、今までの積み重ねからのその吐露の少しのエゴと好きを飛び越えた愛情に近い気持ちに、うお〜〜〜ん!と胸を掻きむしる思いなのであった……。「恋とか愛とかじゃない」人間と人間とのこういう関係性にとっても弱い。続きが楽しみな漫画がまた増えた。うれしい。

【漫画ログ】

海辺のキュー/背川昇
学校生活・不思議な生き物・ちょっとSF。可愛らしい絵柄で、ギャグに見せかけて、学校生活で胸がきゅっとなったちょっとした記憶が呼び覚まされる少し苦しいマンガ。なんでこの作者今まで知らなかったんだろう? という感じ。


はたらくすすむ/安堂ミキオ
定年退職後の男性がピンクサロンのボーイとして働く話。基本下ネタだけど、登場人物のキャラクターが良くてほっこりしたり優しい気持ちになる。


ミリオンジョー/十口了至・ 市丸いろは
超売れっ子連載漫画家(尾田栄一郎のイメージ)が突然死したことを隠し、なんとか連載を続けようとする編集者の話。亡くなった先生の遺体を隠して誤魔化すという論理感初っ端から切り捨てるスピード感が好き。


うめともものふつうの暮らし/藤沢カミヤ
ただのにのあい。癒し。「ねこのこはな」はリアル寄りの描写があまり得意ではなかったので、デフォルメ強めの今作の方がいい。


青に、触れる。/鈴木望
顔に大きな痣のある高校生の話。基本みんないい子なので青臭い描写にちょっとこっぱずかしくなったりもするけど、嫌なキャラクターにもある悩みを描いたり、全部が全部主人公に都合よく物語が進まないところがいい。


カツカレーの日/西 炯子
夢を追う彼氏と別れて婚活に奮闘する28歳。1巻のドキドキと2巻のワクワクが楽しい。短くていいマンガに出会うと今後読むマンガのハードルが上がる。


付き合ってあげてもいいかな/たみふる
女の子同士の恋愛の話。たぶん作者は若い人かな? 心理描写やエピソードが現代人の感覚に合うというか、ちゃんとアップデートされた価値観をマンガに落とし込んでるんだろうなという印象。女心のそれ、わかる…! の連続。


おいピータン!!/伊藤理佐
いとおしい日常。ちょっとしたエピソードがあるある、いい、愛しい…の繰り返し。


甘い水/松本剛
学生二人の話。田舎の閉塞感の描写がうまくて苦しくなる。「ロッタレイン」といい、なぜ実写ドラマ化されない!? というくらい苦しくて美しい作品。一コマも隙がない。これも二巻完結。

「凪のお暇」のコナリミサト、「午前3時の無法地帯」のねむようこ、「地獄のガールフレンド」の鳥飼茜とか、共感が多い漫画家さんは、そのぶん劣等感を刺激されることも多い。すごくおもしろいんだけど自分のコンプレックスをゴスゴス突いてくる描写も多いので、読み始める時ちょっと「よし」って気合を入れないといけない。
登場人物みんないい人で、なにも考えずに読み進められて、誰も傷つかない作品は楽園のようで落ち着く。でもどうしても、傷ついてでも物語の中に取り残されるような感覚を味わいたくて苦しいストーリーを手に取ることがある。

【漫画ログ】いくえみ綾


神と崇めたたえるいくえみ綾の、対談&4P読み切り&レプリカ応募者全員プレゼントにつられ、ひっさっしっぶっりに月刊漫画本誌を購入した。

中原アヤと仲良しなの知らなかった。ていうか、中原アヤは48歳だったのか…もう……。漫画家っていつの間にか歳をとっている。自分も同じように歳とってんだもんね、当たり前か。いくえみ、一時期エッセイ漫画含め同時に6本連載してた時期があって、バケモンだなと思ってたけど、それも結構最近の話。
近年いくえみの描く主人公は年齢が上がっていて、『ローズローズィローズフルバッド』と『1日2回』は共に40代(たぶん)。特に『ローズ~』の方は職業が漫画家でほぼいくえみの自己投影みたいな気もする。自身のことを描きはじめるフェーズに突入?みたいな?知らんけど。いくえみの漫画は、一話一話はなんでもないような日常を重ねていて、だけど人物の感情は着実に揺れ動いていて、単行本になった際一気に読むと、いつもいつも物語の流れに感嘆する。めちゃくちゃドシッと胸に来る。

個展があるなら東京でも北海道でも飛んでいくのに。