アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

王様とボク

「王様とボク」スペシャルBOX [DVD]

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「王様とボク」観ました。
本編いまいちでもエンドロールがよければそれでよしっていう映画もあるけど(私の優しくない先輩)、これはタイトルの入り方からエンドロールまでほんと隙がない。なんかもうあらすじから胸に迫るものがあって「あーこれたぶん好きなんだろうな…すごく好きなんだろうな…」って思って観てたらほんと好きで辛い。掴まれた。二階堂ふみちゃんが天然ふしぎっこちゃんの役やると、ほんとうに脆く崩れちゃいそうなイメージがある。宮崎あおいちゃん激似イメージしかなかったけど、宮崎あおいちゃんはふしぎっこ演じてもどっか真ん中に芯がずどんとある感じがするから。不安定な感情の揺れ動きみたいなのが言葉でわかるっていうか。あと松坂とーりくんあんま好きじゃなかったけど、いいじゃん…いいじゃん!!

何を語るまでもなく菅田将暉くんの演技は素晴らしかった〜。柵に顔くっつけて唇むにむにさせながら電車を見下ろしてる姿なんて本当に子供にしか見えない。六歳の記憶を持ったまま身体は十八歳になってしまった演技、って難しくね?すごくね?とーりくんの「いつ子ども終わったんだよ大人になんかなりたくねーよ」って台詞とかぐさぐさ刺さった。俺たちは今まで子供の頃から周りの人に守られて時間をかけて大人になってきた。だから大人になるってことは今度は誰かを守るってこと。という台詞にはそっかあって納得しちゃった。モリオだってほんとうはゆっくりゆっくり時間をかけて大人になっていくはずだったのに。楽しいことも悲しいことももっともっとたくさん経験して生きていくはずだったのになあって胸がキューっと切なくなった。iPhoneのメッセージのやりとり画面が映ったり、「イマドキ」な手法もあった。もう一度見直したくなる映画でした。