アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【漫画ログ】

海辺のキュー/背川昇
学校生活・不思議な生き物・ちょっとSF。可愛らしい絵柄で、ギャグに見せかけて、学校生活で胸がきゅっとなったちょっとした記憶が呼び覚まされる少し苦しいマンガ。なんでこの作者今まで知らなかったんだろう? という感じ。


はたらくすすむ/安堂ミキオ
定年退職後の男性がピンクサロンのボーイとして働く話。基本下ネタだけど、登場人物のキャラクターが良くてほっこりしたり優しい気持ちになる。


ミリオンジョー/十口了至・ 市丸いろは
超売れっ子連載漫画家(尾田栄一郎のイメージ)が突然死したことを隠し、なんとか連載を続けようとする編集者の話。亡くなった先生の遺体を隠して誤魔化すという論理感初っ端から切り捨てるスピード感が好き。


うめともものふつうの暮らし/藤沢カミヤ
ただのにのあい。癒し。「ねこのこはな」はリアル寄りの描写があまり得意ではなかったので、デフォルメ強めの今作の方がいい。


青に、触れる。/鈴木望
顔に大きな痣のある高校生の話。基本みんないい子なので青臭い描写にちょっとこっぱずかしくなったりもするけど、嫌なキャラクターにもある悩みを描いたり、全部が全部主人公に都合よく物語が進まないところがいい。


カツカレーの日/西 炯子
夢を追う彼氏と別れて婚活に奮闘する28歳。1巻のドキドキと2巻のワクワクが楽しい。短くていいマンガに出会うと今後読むマンガのハードルが上がる。


付き合ってあげてもいいかな/たみふる
女の子同士の恋愛の話。たぶん作者は若い人かな? 心理描写やエピソードが現代人の感覚に合うというか、ちゃんとアップデートされた価値観をマンガに落とし込んでるんだろうなという印象。女心のそれ、わかる…! の連続。


おいピータン!!/伊藤理佐
いとおしい日常。ちょっとしたエピソードがあるある、いい、愛しい…の繰り返し。


甘い水/松本剛
学生二人の話。田舎の閉塞感の描写がうまくて苦しくなる。「ロッタレイン」といい、なぜ実写ドラマ化されない!? というくらい苦しくて美しい作品。一コマも隙がない。これも二巻完結。

「凪のお暇」のコナリミサト、「午前3時の無法地帯」のねむようこ、「地獄のガールフレンド」の鳥飼茜とか、共感が多い漫画家さんは、そのぶん劣等感を刺激されることも多い。すごくおもしろいんだけど自分のコンプレックスをゴスゴス突いてくる描写も多いので、読み始める時ちょっと「よし」って気合を入れないといけない。
登場人物みんないい人で、なにも考えずに読み進められて、誰も傷つかない作品は楽園のようで落ち着く。でもどうしても、傷ついてでも物語の中に取り残されるような感覚を味わいたくて苦しいストーリーを手に取ることがある。