アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【漫画ログ】

水は海に向かって流れる/田島列島
かなり複雑なストーリーを絶妙な軽さで描けて、なおかつ3巻でまとめているのってなにごと。いい意味で大人がちゃんとおとなしてなく、逃げたりずるいところがあるのがいい。展開と食べ物が上手く絡んだ描写が好き。海辺のファミレスのかつあげシーンがいい。実は絵柄で最初は避けてた。


ペット リマスター・エディション/三宅乱丈
他者の意識に侵入して記憶を書き換える能力者のいる独特な世界観。一見荒々しいタッチの絵柄だけど、表情や描写の魅せ方がすごい。しばしばBLという感想を見るけどなんとなく納得する。スピード感のある息を飲む展開が続く。最終巻のヒロキと司が「良」すぎる……。


あたたかい肩/雁須磨子
突飛な展開もこの作者が描くとなんだかありそうな物語になってしまう。他の短編集よりちょっとオトナ。


没イチ/きらたかし
ある朝妻が突然死した男性の話。突然死から感情が麻痺したまま諸々の処理を終え、日常生活を過ごしていく。個々のキャラクターの内面描写があまり見えてこない部分はあったけれど、半分エッセイのような感覚で読んでいたので面白かった。


思えば遠くにオブスクラ/靴下ぬぎ子
家を火事で失くした写真家がドイツに移住し、ルームシェアしながら仕事をする話。食事描写が多く普段生活していると知りえない海外文化に触れることができ、旅行エッセイコミックのような楽しさがある。


手塚治虫アシスタントの食卓/堀田あきお&かよ
手塚治虫のアシスタントとして働いていた当時の仕事と食事の話。創作活動の苦悩などもありつつ、大半は仕事中に食べた食事の話。手塚先生の描写が可愛くていとしい。お仕事漫画。


おひとり様物語/谷川史子
あらゆるいらぬものを削ぎ落したシンプルな線、コマ割り、流れすべてが美しい。おひとりさまを楽しむストーリー。かわいいだけじゃない胸がきゅっとなるせつないお話が多い。好き。2巻収録の12話の破壊力がやばい。シリーズいち好きかもしれない。


天井の下/南Q太
たぶんこの漫画の登場人物は今でもどこかの街で暮らしているんだろうな。南Q太のような短編が書きたいっていつも思ってる。タイトルが良すぎるんよ。