アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【漫画ログ】ゴールデンカムイ


がまんできなかった、尾形Tシャツ……。脂身食べて「ヴェッ」てなってる尾形と、トドを殺し損ねた「む?」の尾形が描かれているのでお気に入りです。届いてすぐ一度着ました。在宅仕事中に「私はいま全身で”尾形”を”理解”している……ッ!」とバーサーカー状態に陥ったのですぐに脱ぎました。

そういえば、元々アニメ作品はジブリピクサー(子供の頃に見たドラえもんとかしんちゃんとか)しか見ないくらい疎かったため、ゴールデンカムイも別にアニメはいいかな、と思っていた。だけど310話を読んで、尾形が走馬灯で過去の自分に問いかけられそれに混乱しながら答えるシーンがかなり衝撃的で、動いてる映像も観たい……! と強く思うようになった。それには今3期まで配信されているアニメを事前に観た方がいいのかなって。
あの描写ってすごく映像映えするシーンだと思う。映画「ベンジャミンバトン数奇な人生」のラストシーンで、「音楽が得意な人、ボタンを作る人、母親になる人、そして、踊る人…」と、ナレーションに乗せて過去に出会ってきた人たちを回想する場面があって、そこがあまりに綺麗で美しくて、思わず耽美な気持ちに浸った記憶がある。尾形のあれは醜くて無様な最後の悪あがきだけど、無様だからこそ美しい幕引きの映像になるんじゃないかな、と今から期待してる。

あと声優さんにも疎くて、尾形役が津田健次郎(ツダケン、という略称は聞いたことある)さんと初めて知ったんだけど、この人ってすっごい渋くてセクシーな声な人なんだね。言葉の中に吐息をまとっているというか。気になるシーンだけネトフリでちょこっとつまみ食いした。樺太で、金塊に関する鍵を聞き出そうとするシーンで、アシリパ銃口を向ける時の「お前達のような奴らがいて良いはずがないんだ」というセリフの消え入るような語尾の「だ」にゾクッとした。
あとは、父親を殺す際の、母に関する独白(父親はまだ事切れていないけどほぼ独白に近い)シーンの、感情がない淡々とした空気の中に潜んだ狂気。ツダケン……怖い……。この独白シーンはiPodに入れて通勤時に繰り返し聴きたいくらい良い……! この人の写真を改めてしっかり見たけど、男前すぎてたぶん今までずっと俳優さんだと思ってた。

310話で尾形の最期を目撃した瞬間から、今までは”尾形”だった尾形という概念が、明確に「「「尾形」」」になっちゃった。どっちが命だかわかんなくなっちゃった?! 「まずは尾形百之助少尉か…クスクス」って悦に入ってたの、最初読んだ時記憶違いで毒にやられた後のシーンだと思ってたんだけど、読み直してみたら普通にシラフの時に呟いててま~~じキモくて最高じゃん…! 最後まで「おっ母、見て」だけだった。罪悪感からずっと逃げ続けた末に、最後には追いつかれたのがキツイ。
万が一でも勇作殿による救済もあったか…と考えるけど、母親殺しの時点で詰んでるからどう転んでもデスルート。どの分岐選んでも結果「死」に辿り着くのなんなん? アシリパの毒矢で右目を撃たれた時に死んでいれば、それが本人にとってまだ一番マシな救済だったのかも。心の中のウェンカムイに幾度も殺されそうになっていた砂金採りの平太師匠は、最後死ぬ間際にすべてを打ち明けられたけど、尾形の自問自答は尾形の中にしかなく、杉元たちから見るとただ毒にやられて錯乱しただけにしか見えなかったのが辛い。最後まで内向きで一人よがり。イイイイイ~~~(悶え)(最高)

あの銃口を自分に向ける見開きのシーンをPCの壁紙にしてみたら心がぶっ壊れそうになったので2秒でやめました。推し、死ぬな。といいつつ、最高のフィナーレに胸打たれている。