アルパカの右にならえ

生ビールでも発泡酒でも幸せなアラサー。邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【邦画ログ】「もらとりあむタマ子」あっちゃんは左利き

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(2013年12月号の月刊シナリオには脚本家のインタビューも載っているのでとてもオススメ)

もらとりあむタマ子」を観ました。この映画、個人的には完璧に近い邦画だった…!登場からタマ子、前田あっちゃんがすごいブサイク。こんなブスに撮られてもあっちゃんはあっちゃん、それが可愛い。特別可愛い。居間から「タマ子ー」と呼ばれて便器に座ったまま漫画開いて「トイレー!」(全部に濁点ついてるくらいのがなり方だった)と叫ぶあっちゃん。あっちゃんは女優だ。間違いない。
秋から始まるこのストーリー、終わりの夏まで特に特別な何かがあるわけじゃないけど、なんかシーン一つ一つがガッツリ心にくる。三色だんごのやけ食い。年越し蕎麦を作るのにこんぶとかつお節で出汁を取る父。「パスタとか作るじゃないですか、したらね最後にパセリ乗せるんですよあの人」。写真館に飾られるタマ子の写真。「部活に恋に忙しいからさぁ誰かさんと違って」と余計なことを言って叩かれずれる中学生のヘルメット。
バリ島行くんだってぇー私もどっか行こうかなー」とぼやくタマ子に「お父さんと行こうか」「や、無理」というどこの家庭でもありそうな会話。そんな娘を見てなんでか少し嬉しそうな父の顔。この表情全部が「お父さん」だよなー。
就職活動を始めた(のちにそれが勘違いだったと気づいた時の脱力アンド薄ら笑いも最高に良かった)タマ子に、ついつい嬉しくなって酔ったついでに腕時計なんてプレゼントしちゃう父。それを見て「いくらしたの」って怒っちゃう娘も娘。
夏の始めに偶然再会した、帰省中のケータイ番号も知らない同級生、後日また偶然見かけた彼女は駅のホームで泣いていた。何か会話を交わすわけでもなく、「またね」と独り言に近い言葉を呟いて手を振りその場を去るタマ子。タマ子の知らないところで彼女にもきっと何かがあったに違いない。
劇中タマ子が読んでいた漫画、確認できたのは「天然コケッコー/くらもちふさこ」「にこたま/渡辺ペコ」「宮本から君へ/新井英樹」だけだったけど、この漫画のチョイスも絶妙。あとはエンドロールで流れる星野源さんの「季節」も素晴らしい。特別、星野源さんそのもののファンという訳ではないんだけれど、映画やCMなど、何かのテーマソングとして関わっている時の彼の曲はとにかく染みる、ハマる感じがすごくて素敵だなぁといつも思う。ライブ(本人?)自体はなかなかロックそうなところも魅力的。
エンドロール最後の、撮影休憩中のあっちゃんの居眠り(+それを見た監督さんの微笑み+のちのメイキングカメラに気がついて苦笑い)がいわゆるサービスショット。可愛い。

∴ 感想記事読ませていただきました。
右利きの父と左利きのタマ子、朝昼晩と面と向かって食事をとるそのシーンの解釈を読んだ時思わず「あー」と声が出ました。

愛が伝わる。ロールキャベツ定食が食べたい。ロールキャベツをぐもぐも口いっぱいに頬張るタマ子まじ愛しい。働け。

もらとりあむタマ子 [DVD]