【邦画ログ】アイアムアヒーロー「藪さん伏せて」「はーい」ネタバレあり

「漫画一巻選手権」があったら確実に大賞取ってる、花沢健吾さんの「アイアムアヒーロー」の実写映画を観ました。TSUTAYA100円セールありがとう。

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前提としてまず原作のボリュームを映画の尺に収めるのは完全に無理だと分かっていたので、いかにアイアムアヒーローの設定に忠実にZQN（ゾキュン）パニックを楽しめるかどうかという気持ちで観ました。面白かったです。R15だから期待していた通り、ちゃんとグッチャグチャのドッロドロで頭パーンのドーンで最高でした（あまりのグロ描写の連発に、語彙力を吹っ飛ばさないとやってられない）
ドアポスト越しにチューするシーンが伏線になってからの、ドアポスト越しのてっこ覚醒シーンに震えあがった記憶があります。てっこ覚醒はほんと怖かった。劇場で観てたら声出てた、絶対。
てっこちゃん、原作では聖母みたいなキャラクターだったけど、映画だと「わたしもう34歳だよぉ…？」と泣くような普通の婚活モンスター女子でちょっと残念（気持ちはすごい分かるで）

漫画家のマキタスポーツさんの頭を金属バットでボッコボコのグチャグチャの脳みそパーンにするアシスタント塚地さんがすごく良かったです。血みどろのバット片手に、呆然と普通の顔して英雄に話しかけるシーンが静かに怖くてほんとに最高。頭がおかしくなりそうなシーンでもちょっととぼけた会話があるから和みます。

歯の生えていない赤ちゃんに噛まれたため、ZQNと人間の中間の状態の比呂美。たまに覚醒してZQNに立ち向かうシーンが可愛い（酔拳ならぬニャン拳みたいな手つきが好き）

原作と違って映画の英雄は結構ちゃんといい奴に描かれててちょっと物足りない。原作では、いじめられっこ気質の比呂美に対して、洗脳するように「あいつらが君をいじめてたやつらだ！」と仕向けてZQNと闘わせる描写があるんですけど（間違えて噛みつかれて感染したら困るからガムテープで口ぐるぐる巻きにするんだよ、ひどくない？）、そこのクズ加減がほんと最高だったので、むしろ映画で簡単に描かれなくて良かった～と思ってます。原作の話ばっかりになるけど、生理になっちゃった比呂美ちゃんにナプキン（おむつだったかな？）付けてあげるシーンとかもあったな。

お店から食べ物持っていく時にちゃんと小銭置いていくとことか、銃刀法違反になるから公共の場では銃を出せないと言うとことか、この状況でそこ気にする？　という、融通の利かないお人好しさと非道さのバランスがちょうどよく気持ちいいのが主人公英雄の良さだと思っているので、映画の英雄はただ普通にカッコ良すぎてほんと物足りない(笑)
余談だけど、こういうパニック系のストーリーの中で、まず性行為と自慰行為と生理について描写するかどうかでいろいろ変わると思う。自慰はどっちでもいけど、性描写と生理の描写はちゃんとあって欲しいと思う（生存者に女が多いなら特に）

ショッピングモール地下で、クラシックのヨハン・シュトラウス2世 Op.410 ワルツ「春の声」に乗せてZQNが大集合するシーンが大好きです。

原作ファンなら分かるであろう、「はーい」のシーンは大泉洋さん、最高でした…！　最高でしたよ！

原作でも散々銃をチラつかせておいて、「英雄、お前一体いつ撃つねん！」とヤキモキしてからの発砲シーンだったんですけど、映画でこんなに気持ち良く再現してくれるなんて思ってなかったです、嬉しい。
「藪さん伏せて」「はーい」のシーンのためだけに開始から1時間42分待ったと言っても過言ではない。
どうやらクレー射撃で打つ際の掛け声らしいのですが、この、あと一歩で死ぬぞって緊迫した瞬間に気の抜けた「はーい」のコントラストが最高だったって話です。抑揚のない低い声でぼそっと呟くこのセリフが一番輝いていました。
パワー系ZQNの走り高跳びさんの気持ち悪さも最高でした。

これはゾンビ系の得意な人と集まってウッワーグッチャグチャだな！　ああ最高！！　とワイワイ観たい映画です。用意したチョコレートケーキは一口も食べずに観終わりました。ユッケとかキムチ鍋はちょっとだけ控えようかな……。

▽感想読ませていただきました！
アイアムアヒーロー（ネタバレ）｜三角絞めでつかまえて
25 | 4月 | 2016 | 新・ゾンビの数だけ抱きしめて

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