アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

【邦画ログ】「神様のカルテ2」言葉が少なくてもいいじゃない

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神様のカルテ2」を観ました。ジャニヲタ感想なのであまり参考にならないかもしれませんということだけ前置きにてお伝えしておきます。
翔くんあおいちゃんの二人のおだやかな喋り方なのを主として全体的に流れる空気が前回よりさらに穏やかで、なのにストーリーのテンポはすごく良くて、出てる役者さんの演技も、分かりやすく大げさに感情に出すことはないけれど表情で伝えるそれがすごく繊細だから、見ていてとても心地よかった。何かを大きく端折った感はなく原作ともそれほど変わりはなかったような気がする。それでもやっぱり屋久杉くんの話とか、飲み屋さんでのお酒を飲むシーン、最後タツの実家が蕎麦屋のシーンは観たかったな、と思いました。
性格悪い感想を言ってしまうと、原作だけを読んだ時は、優しくて穏やかで何も言わずとも何もかも察してくれるとびきり可愛らしい嫁、なんて存在があまりにも男性作家特有の「僕の理想の最高のお嫁さん」感が出過ぎててて、すごい都合のいいキャラ設定だなとかも思っちゃったりしたんだけど、映像化されると宮崎あおいちゃんの雰囲気がばっちり過ぎて違和感がなく思えてしまう。女優さんの存在感というものはすごい。
 
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そしてなにより、家に帰ってきても着物を着たハルに構っていられなくて外野に文句を言われていたイチの心境にハル自身はちゃんと気がついていて、その流れのあとのイチが暗い部屋の中でハルの胸に抱かれるというシーン。あんなものは、どんな直接的なキスシーンだとか肌の出ているラブシーンよりもラブシーンだと思います、思いますよ!
先生が亡くなった直後、廊下の壁に並んでもたれた三人が順番に業務に戻っていくシーンがせつなかった。最後に残されるイチの表情が良い。
これだけ、これだけは!と惜しい気持ちになったのは、病院内の電気と看板のライトを消して屋上からの星を二人に見せるシーン。あの時のカメラ分割と少し大げさなBGMが雰囲気をちょっと壊しているように見えたかも。
 
神様のカルテ1を観た時も思ったけど、翔くんは家族ゲームの吉本先生みたいに言葉に言葉を重ね演説をするように喋り捲し立てる役より、イチ先生みたいに雰囲気や表情で静かに感情を表すような役の方が個人的にすごく好きだなぁと思います。動より静の演技が素敵。(役者としてはどちらも演じられる方が良いんだろうけど、前者の演技って運動を含めた表現な気がする)
外に向かって訴える演技というより、抑えた方がより訴えかけられる表情をすると思う。あと確実に1でのくるくるパーマは失敗だったなと思う(笑)2のあの髪型で十分良い!